2chに現れたデリヘル経営関西弁仕手株投資家の投資哲学

どうすれば勝てるの?おしえてくれ! [無断転載禁止]©2ch.net

最近は株式取引の投資手法や投資哲学についてのテキストを読むのにハマっていて、2chのスレなども色々と読んでいるのだけれど、上の2016年のスレに印象的な関西弁の語り口で独自の投資哲学を展開する人物がいたので、彼の言葉を見てゆきたい。

ゴールを明確にする

相場と限らず成功者はな、ゴールが明確なんよ。

(中略)

体を動かすのでも、ただ散歩するのとバット振るのとじゃ違うやろ。
健康の為にウォーキングするのか、プロの一軍で活躍して金儲けする為にバット振るのか。
目的は健康か、金か。

野球に限定しても、ホームラン打ちたい人間がイチローと同じ練習しても意味ないやろ。
しょぼい奴は、人生でも相場でもゴールが曖昧なんや。
本人が何をしたいか分かっとらん。

自己を認識できてへんのに、自己実現はでけへんやろ。

勝つ奴はゴールが明確や。
だから、スタイルもはっきりしとる。

色々な勝つスタイルがあるが、勝ち組は自分の一つのスタイルを確立しとる。
ある分野に限定し、ある方法に限定し、ある銘柄に限定している。
専門分野をもっとるんよ。

(中略)

俺のスタイルは仕手銘柄専門で、これも投資の教科書では駄目だと書かれいる。
けど、俺はこれに特化して勝ち続けてきた。
トヨタユニクロのチャートや決算書なんか見たことないわ。

俺が仕手専門にしたのは、ゴールが「種を1年で1.5倍から2倍にしつつ、長期的に勝ち続けられる方法の修得」やったからや。
プロでも年利10%20%や。
株をやっている奴の80%は長期的には負けとる。

(中略)

1はんのゴールはなんや?

株で勝ちたいです、これあかんのよ。曖昧すぎる。

私も5月から500万円を元手に株を始めたけれど、ゴールはあまり明確になっていないことに気づかされた。理想を言えば、配当金で食べていけるまで資産を増やしてセミリタイアすることだけれど、そこに本気で目標設定すると身に余るハイリスクな手法を選択せざるを得なくなる。ゴールを明確に定めるとは、簡単そうで簡単なことではない。ちなみに、この方のゴールは、

もっと言えば、なぜ株で勝ちたいのか、いくら勝ちたいのか、買った金で何を買うのか。
年金が不安だから、そのケアの為なら、インデックス長期でええ。
俺は自営する金が欲しかったから年利50~100%を目指した。
年利5~10%じゃあかんかったんよ。

俺は人に命令されるのが苦手やねん。
職歴もすぐに職場を辞めるからボロボロや。
それと女が死ぬほど好きやねん。
結局、金持ちになってもベンツやタワワンやブランド物の服やロレックスに興味ない。
食事の餃子の王将や秋吉でええ。
俺の場合は金持っても女にしか使わんなと。

自分が本当にしたいこと=自分のゴール=人に命令されんと自由に生きること+いい女を抱きまくれる人生

やと、明確にしたんや。
命令されんと生きるには、自分が社長になるしかない。
女を抱きまくりたいんやったらデリヘル経営にしよかと。

ということらしく、既に実現できているようだ。私も社畜を辞めたいと常々思っているけれど、これほどの覚悟は正直ない。

バリュー投資の優位性

それと、ファンダメンタルは成長や未来の予測では、ほとんと意味がない。
割安さ、小型株効果、倒産リスクの高さを見る場合は、ファンダの意味があるよ。

日経が調整して大人しくなったけど、猿でも勝てる官製相場の時に、「成長ストーリーを読んで収益バリュー銘柄を買う」系の連中が息巻いとったやろ?
収益バリューて要するにグロースなんやけど、彼らはグロースという言葉に拒否反応を示すんや。

これグロース投資家だけじゃなく、テクニカルトレーダーもそうなんやけど、自分の手法の弱点から目を逸らす。
統計でグロースはバリューよりパフォーマンスが低いと、アメリカでも日本でも出たから、グロースという言葉を嫌がって、収益バリューとかいう変な言葉を作ったんや。
「バリューだグロースだという分けること自体がおかしい」とか、謎理論を主張したりする者もおるね。
自分に不利な統計やエビデンスから目を逸らすんやな。

で、この手の猿は日経の大きな調整で、ポートフォリオが炎上して、2ちゃんからやブログからも消えてくれたんやけど、成長予測するファンダはあまり意味がないんよ。
インサイダー情報を持っている経営陣や、ハーバードで博士号を取り、個人投資家よりも圧倒的な情報、スーパーコンピューター組織力を持っているファンマネの予測が当たり前のように外れとるからね。

経営に一番詳しい経営陣が下方修正しまくっているのに、個人投資家がパソコン一台と、四季報と、近所の居酒屋に行ってメニューを見る程度で、未来を予測できたら苦労はないんよ。
ピーターリンチやバフェットの影響なんやけど、あれもアメリカ株はまともな銘柄を現物長期で持てば勝てたから。
それだけ。

統計ではグロースよりバリューした方がもっと勝っていたと出とる。
だけど、リンチやバフェットを信じているアホは多い。
ブレイクアウトと同じで、グロースも高値買いなんやが、高値買いとは今ホットな銘柄が多いんよ。
大衆が群がっているから高値を付けているわけ。

脳が焼けるんやな。大衆が見向きもせん銘柄をそっと仕込む(仕手筋の手法やバリュー投資家の手法)のは、地味やからの。
ほとんどの投資家は高値買いをしたがる。その脳の焼けが先にあって、後付けで収益バリューとかテクニカルとかブレイクアウトという手法を無理やり有効性があると思い込んでいるんよ。

先に結論ありき。熱い銘柄を買って痺れたい!という欲求がある。手法は後付けなんやな。だから負ける。

私もテクニカル指標は見ずにファンダのみバリュー投資のスタイルでやっているので、この辺りの言葉には勇気づけられた。

弱点をケアする

手法を磨くときは弱点から目を逸らさないこと。
一つの手法に特化することや。

(中略)

るろうに剣心って漫画の主人公が抜刀斎と呼ばれる抜刀術の達人なんやが、抜刀術って躱されると、自分がノーガードになって危ないんよ。
一撃必殺の大技やから威力が抜群やが、躱されたときにヤバイ。

それを知っているジンエとかいう敵キャラに抜刀術を躱されるわけやが、主人公は抜刀術を躱された後に、左手で鞘を持って第二撃を叩きこんで、弱点をケアしていたわ。
そこで言ったセリフが

「抜刀斎の名とは、抜刀術の弱点を誰よりも知っているという意味でござる」、みたいなことを言っていた。

ハイリターンを求めるならリスクが高まる弱点がある。
それをケアできるのがプロや。
俺は仕手銘柄、小型株、低位株、ボロ株のリスクを誰よりも知っとる。

そこがリスクや弱点から現実逃避している、信用デイトレやグロースのアホらとちゃうんよ。
もし、俺はグロース打ちになれば、グロースの弱点を誰よりも知り、それをケアする方法を考え抜くやろうね。

リスクや弱点から目を逸らすなら、欧米先進国のインデックスをドルコストしたらええんよ。
どっちかや。
プロとして修羅の道を進むか、アマとして安全に生きるか。
中途半端な奴は食い殺される鴨や。

突然『るろうに剣心』の上手い喩えが出て来て笑ってしまった。確かに弱点を直視するというのは難しい。私が今採用している投資ルールは損切りが遅くなるのが弱点だと分かっているのだけれど、克服する方法が思い浮かばないので見ないふりをしているのが現状だ。

対戦相手の存在を意識する

株を打つときはな、どれが上がるかとか、成長とか、割安とか、世界情勢とか、色々と分析するわけや。

だけどな、素人が分かっとらんのは、『相場を打って勝つ=誰かを負かす』なんよ。
もっとはっきりと言えば、

『他人の損切りが自分の利益になる』んや。

自分が勝つには誰かに損してもらわんとな。
あんさん、1600円で買ったとき、「俺のこの1600円の買いは、誰かの損切り売りだな( ̄ー ̄)ニヤリ」と、考えて買ったか?
そんな発想すら無いやろ?

利益確定するときも、「俺のこの利益確定売りは、買った鴨の高値掴み(=含み損からの将来の損切り)やな( ̄ー ̄)ニヤリ」と、思えるタイミングで売るんやで。

(中略)

鴨が売る時に買い、鴨が買うときに売る。
要するに、

『全く同じ銘柄を、全く同じ世界情勢で、売り買いしても、勝つ奴は勝ち、負ける奴は負ける』わけや。

銘柄選びとか、成長性の予測とか、世界情勢の分析うんぬんもええんやけど、同じ銘柄、同じ地球の同じ時代なのに、喰う者と喰われる者に分かれるんやで。
素人は鴨を喰う発想が皆無なんよ。

(中略)

ピコピコとPC画面を見ているから、敵プレイヤーの存在を忘れるんやろうね。

(中略)

株は博打や。
つまり、相場を打つとは、鴨を食い殺す作業や。
まず、それを頭に叩き込んでから、銘柄分析や世界情勢の分析うんぬんなんよ。

株の熟練者にはこういうことを言う人が多い気がする(cisも似たようなことを書いていた)。一方で、今の私にはこの感覚はまったく分からない。場中の板の動きはあまりにも速く機械的で、背景に人の存在や感情を読み取れる気がしない。

ここに引用しただけでもかなり長いけれど、他にも色々と面白い話が展開されているので、気になった方には元スレを読みに行くことをお勧めしたい。