甲状腺機能亢進症と情緒不安定

先日この話題についてウケを狙った煽り気味の記事を書いてしまい削除したけれど、知見自体は共有に値するものだと思われるので、無駄な自意識による装飾を抜いて簡潔に書き記しておく。

甲状腺疾患患者、特に活発すぎる甲状腺のある人は気分屋で、不安になったり、怒ったり、いらいらするようになることが多いのです。そして、多くは配偶者の行動を歪んで認識します。残念なことに、配偶者はどうしてそのような変化が生じたかわからないことがあります。要求の変化に対処できないことやコミュニケーションをとるのが難しいことから、誤解や誤った期待、そして些細なことでの口喧嘩などを伴う混乱状態を招くことがあります。そして、多くの人にとってはその関係が重荷になります。

ほとんどの場合、罹患した人の性格は驚く程変ります。甲状腺の病気に罹っている人はある程度自分の苦しみを隠す能力はあるのですが、病気のためにすぐに行動や言葉に著しい変化が現れるので、他の人は簡単にその変化に気がつきます。その変化の原因が突き止められない限り(すなわち、甲状腺の病気がまだ診断されていない)、その夫婦は自分達の問題の元を突き止めることができません。夫婦関係はこの期間の長さに応じて悪影響を受けますが、それは何ヶ月あるいは何年も続くことがあります。

妻が比較的症状の重い甲状腺機能亢進症であることは把握していたけれど、(当事者の妻でさえも*1)最近まで甲状腺機能亢進症が情緒不安定と関連があるという認識がなかった。この認識がないことによって本来回避できたはずの不和が発生するということはあると思う(逆に言えば、この知見によって救われることも)。

妻の場合は、終わりのない治療に嫌気がさして数年前に通院をやめたのが症状の悪化を招いた。私も病院は嫌いなので気持ちは分かるけれど、やはり継続的な治療が重要らしい。気のせいかも知れないけれど、少し薬を飲んだだけで既に情緒面に劇的な安定が見られている気がする。

*1:2018/09/30追記。妻は甲状腺機能亢進症と情緒不安定の関係を以前から知っていたけれど、それが自分の情緒不安定の原因だという確信が持てなかったため最近まで私には伝えなかったらしい(知っていたなら、もっと早く教えて欲しかった…)。

VSCodeでファイルを開いた際のタブ上書きの設定をいい感じにする

デフォルト設定のVSCodeで新しくファイルを開くと、既存のタブに上書きされてしまう問題は、上掲の記事を見て解決できたけれど、今度は語句検索やGitの差分をチェックするときなどに消えて欲しいタブが大量に出現してしまい厄介に感じていた。

f:id:fuyu77:20180912102850p:plain

1つのタブでファイルをちら見するPreview機能周りの設定を見てみたら、上の画像のように、Enable Previewをオンにしたままで、Enable Preview From Quick Openをオフにすると、Quick Open(⌘P)でファイルを開いた際は新しいタブに表示され、その他のシーンではプレビューモード(タブが増えない)となり、快適になった。

USキーボードでCapsLockキーを使って日本語入力切替する

はてぶトップにUSキーボードの記事が上がっていた。

私は7月に就職した職場でUSキーボードのMacBook Proを支給されて、USキーボード使用歴1か月程度になる。上の記事に、

「人間の高い順応性によって、慣れが解決してくれる」というのが私の感想です。

とあるように、慣れれば特に使いづらいこともなく、見た目もスタイリッシュで好ましいというのが素朴な印象だ。

ただ、1点だけ、日本語入力切替をするのに、デフォルトではCtrl + Spaceを打たなければならないことに若干のストレスがあった。

今日Macのシステム環境設定を覗いてみたら、この問題には簡単な解決方法があることが分かったので、紹介したい。

f:id:fuyu77:20180824150934p:plain

システム環境設定>キーボード>入力ソース>Caps Lockの動作>オフの時「英字」を入力

とすると、CapsLockキーのワンタッチで日本語入力が切り替えられるようになった。

CapsLockキーのランプが緑に光って、「日本語入力モード起動…!」というような趣があり、気持ち的に昂揚感があるし、今の入力モードが一目で分かるという利点もあって、ただショートカットキーを設定する以上のユーザー体験の向上があると感じている。

2020/07/10 追記

この記事はGoogle等のIMEを使わない前提で書かれてしまっている。Macのデフォルトの変換能力はかなり低いので、実用レベルでは上の記事の方法が参考になる。

リモートワークがすごすぎた

昨日から都内のスタートアップ(BtoCの自社サービスを開発している会社)でエンジニア(プログラマ)として勤務している。開発の業務は未経験なので、まったく新しい分野に挑戦する気分だ。

昨日はエラーと闘いながら開発環境を構築していた。帰り際に上司に声をかけられる。

「エンジニアは明日は誰もいないけど、環くんはどうする?」
「どうすると言うと?」
「明日はリモートで働いて良いよ」
「明日から良いんですか!?」

ということで、今日は入社2日目にして自宅から勤務した。実際にリモートワークを試してみて、事前に想像した以上の素晴らしさに感動している。

リモートワークの良いところ

朝が楽

朝の時間の余裕がすごい。今日は仕事まではてブで記事を巡回しながらまったり過ごしていた。

前職は遅刻に非常に厳しく、東海道線の遅延の可能性に毎日怯えながら始業前から凄まじいストレスを感じていたので、リラックスして仕事を始められることがありがたく感じる。

昼休みに家の用事ができる

今日は昼休みにゆうちょの印鑑を変更するために郵便局に行って来た。

勤務地で昼休みがあっても昼食を食べる以外に特にできることもないけれど、リモートならちょっとした家事など色々とできることがありそうだと思った。

仕事後に余裕がある

前職では、1日の勤務のストレスで疲れ果てて、「はぁー、瞬間移動して家に帰れたらなあ…」と毎日嘆いたものだけれど、リモートワークなら、必然的に仕事が終わったら既に家にいることになる。この時間的・身体的・精神的余裕はすごい。こんな風に仕事後にサクッとブログ記事を書くこともできる。

その他

https://get.slack.help/hc/ja/articles/115003501303-%E7%94%BB%E9%9D%A2%E3%82%92-Slack-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%A7%E5%85%B1%E6%9C%89%E3%81%97%E3%82%88%E3%81%86

今日はSlackのリモートで画面を操作できる機能*1を使って、ペアプログラミングのような形で上司に色々と教えて貰った。画面を共有するだけでなく操作までできるとは驚いた。昨日の段階では、「何も分からない初心者なのにいきなり家に放置されて大丈夫なのか…」と思っていたけれど、まったく不都合なく仕事することができた。

*1:2020/04/16追記。この機能は現在廃止されている。

プログラミングスクールのTechAcademyってぶっちゃけどうなの?という話

TechAcademyをレビューする背景

私は2017年11月末に前職を退職し、Railsを勉強して先日短歌投稿サイトUtakataをリリースし、都内のベンチャー企業で来週から開発職として勤務することになっている。

TechAcademy(オンラインで自宅学習するタイプのプログラミングスクール)は、学習の最初期に「Webアプリケーションコース(4週間プラン、129000円)」を利用していた。

一応プログラミング実務未経験から、Webサービスのリリースとエンジニアとしての就職を達成できた(今後のキャリアには不安が多いが)立場から、TechAcademyを評価したい。私がプログラミングスクールを検討した際に、評判として出てくる記事がスクールの利害関係者の怪しい記述ばかりでほとんど参考にならず、利害関係の無い立場からの評価が欲しかったということも記事を書く動機になっている。

TechAcademyのメリット

  • RailsWebサービスをリリースするために最低限必要な内容を学べるカリキュラム
  • そこそこクオリティの高いテキストを受講期間終了後も無制限に読める
  • プロのエンジニアにビデオチャットで質問できる

TechAcademyのデメリット

  • 受講料が高い
  • 4週間でオリジナルサービスリリースまで持ち込むのは明らかに不可能
  • 「TechAcademyキャリア」という付属の転職仲介サービスのクオリティは低い

カリキュラム

一通りの内容が揃ったカリキュラムと分かりやすいテキスト

「Webアプリケーションコース」では、下記の技術が学べるようになっていて、これらについて基本的なことが書かれたテキストを受講期間終了後も無制限に読むことができる。Webサービスのリリースに必要な内容が一通り揃っている(肝心のJavaScriptが無いが…)。

テキストの記述は分かりやすいので、受講後のオリジナルサービス開発時に役に立った(特にTwitterライクなサイトを作る章の記述が)。ただし、必ずしもベストプラクティスが書かれている訳ではないので、ある程度理解度が深まった後に見返すほどの価値はないと思われる。

カリキュラムへの不満

「上記の内容の学習+オリジナルサービスの開発」がセットになったカリキュラムとなっているのだけれど、4週間でRails未経験者がオリジナルサービスリリースまで漕ぎ着けるのはほぼ不可能のように思える。普通にできないことをできるかのようにカリキュラムを組んでいるのは悪質だと思った。

また、HTML、CSSRubyについては別の書籍等で学んだ方が良いと思った。「まったくの未経験からオリジナルサービスをリリースできる」というのがサービスの売り文句なのは理解できるけれど、個人的にはRails周辺に特化したカリキュラムで、オリジナルサービスの開発は受講後に自力で行うとしてくれた方が有意義な学びになったと感じている。

ちなみに、Rubyの学習については、上記の『プロを目指す人のためのRuby入門』が間違いのない良書としてオススメできる。

ビデオチャットによるメンタリング

週2回30分、プロのエンジニアの方とビデオチャットでお話しできるサービスがある。私の場合はきちんとしたプロの方が付いてくれたので、非常に有意義だった。カリキュラムに関する質問というよりは、オリジナルサービスリリースに向けて分からないことをガンガン質問してプロ視点の有益なアドバイスをいただけたのが大きかった。

TechAcademyキャリア

サービス受講者は転職仲介サービスの「TechAcademyキャリア」を利用できるとされていて、少し期待していたけれど、これはまともに使える水準のサービスではなかった。

私はpaizaを使って転職した(ただし、他のサービスをちゃんと検討した訳ではないので、paizaが相対的にどの程度優れているかは不明)。

総評

Rails未経験者が最初期の学習として、Railsの雰囲気をつかむ目的で4週間コースを利用する(オリジナルサービスの開発は受講終了後に行うと割り切る)のは悪くない選択肢だけれど、約13万円というコストを考えると、他の選択肢を検討した方が良いかも知れない。「決して詐欺的なサービスという訳ではないが、特に素晴らしくもない」という微妙なライン。私の場合は、トータルで利用して良かったと思っている。

繰り返しになるけれど、「まったくの未経験でも、プログラミングスクールで学べば短期間で自分のWebサービスをリリースできる」という発想は妄想として切り捨てた方が良いと思われる。Webサービスリリースにあたって、「自分で調べて考える」というフェーズは避けて通れない。Railsはググって出てくる日本語の情報が充実しているので、独学のハードルは比較的低いと感じた。

余談 -「転職保証」付きのプログラミングスクールの利用は避けた方が良い-

私は当時「転職保証」付きの「WEBCAMP PRO」のようなスクーリング型のサービスも検討していたけれど、これは使わなくて良かったと思っている。

前提として、

  • 未経験からエンジニアとして就職するだけなら、誰でも確実にできる(だからこそプログラミングスクールは「転職保証」を謳える)
  • 各企業ごとに労働条件の差が著しい

ということがあるので、短期間で焦ってプログラミングスクールに斡旋されるがままに最初の勤務先を決定するのは愚策と思われる。未経験の業界を目指すのは不安が大きく「転職保証」は魅力的に響くけれど、じっくり腰を据えて学習してから、普通に就活すれば大丈夫だと思う。私の場合は「Railsを勉強してWebサービスをリリースしました」程度の技術力で、最初に応募した企業と2回面接してサクッと雇って貰えた。

短歌投稿サイトUtakataをリリースしました

短歌投稿サイトUtakataをリリースした。短歌を作られる方はぜひアカウント登録して使ってみてほしい。

開発の背景 -Utakataのコンセプト-

昨年の12月に無職になった私がプログラミングの職業訓練も兼ねてRailsで開発したサイト。Webサービスを作るのはこれが初めてだったけれど、最低限ストレスなく使っていただけるレベルのクオリティでリリースまで漕ぎつけられて嬉しい。

既存の短歌投稿サイト

[うたのわ]和歌(短歌)の投稿、共有サービス

短歌投稿サイトは既に「うたのわ」、「うたよみん」、「うたの日」という3つのメジャーな先行サイトがあり、特にうたよみんは完成度が高く、アクティブに投稿しているユーザーも非常に多いサービスだ。これらの先行サイトに敬意を表する意味もあり、サービス名は「うた」から始まるUtakata(意味としては泡、『方丈記』の「よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」を意識している)としている。

うたよみんをはじめとした完成度が高く人気のある先行サイト群に対して、プログラミング初心者の私が差別化できる要素は何もないのではと当初は思っていたけれど、作っていくうちに以下の点が強みとして見えて来た。

CSSでの縦書き表示

短歌と言えば縦書きだけれど、UtakataではCSSによる縦書き表示を採用している。先行サイトでは画像による縦書き表示を採用しているので、シンプルにテキストで縦書きを表現できることは強みになると思った。

コアな短歌ファンのニーズの汲み取り

先行サイトには技術的に凝った機能も多く採用されているけれど、コアな短歌ファンのニーズと若干ズレていると感じるところもある。

その点私は人生の一時期、人間存在のすべてをかけて短歌に取り組んでいたことのある人間だ(大学のサークルで喧嘩して短歌界隈を追放された痛々しい過去があるのだが…)。その経験を活かして、歌人が短歌の表現に本当に必要としている機能に絞ったシンプルなサイトの実現を目指した(技術力が足りなくて高度な機能を実装できなかったとも言えるが…)。

夢を実現するフレームワークとしてのRails

自作の短歌投稿サイトを作ることは、「いつかできたらいいなあ」という私のちょっとした夢だった。しかし、Webサービスをリリースするために学ばなければいけない技術の幅は広く、死ぬまでにできるかどうか怪しく感じているほどだった。

Ruby on Rails は、極少人数(理想は一人) がサービス開発するのに理想的なフレームワークであり、それを目指し続けていると考えている。Ruby on Rails の敷かれたレールに乗ることで、一気に目的地に到達することができる。

そんな中、Railsは夢の実現に向けて最短距離のレールを敷いてくれた。最初は難しかったけれど、MVCモデルを構成する各ファイルが何をしているか理解できたらどんどん自分で色々とカスタマイズするプログラミングの楽しさを味わうことができた。高度な機能を簡単に実装できる各種gemの存在も初心者には非常に助かる。

Googleで調べると、日本語の情報がたくさん出て来るのもRailsのありがたい点だ。大体のことはググれば解決した。

私の知る限り、Ruby ほど「楽しさ」について焦点を当てている言語は他にありません。Ruby は純粋に楽しみのために設計され、言語を作る人、使う人、学ぶ人すべてが楽しめることを目的としています。

どうしてそんなに Love Ruby ?

RubyRuby たる所以は「書くのが楽しい」ところなのである。 これはめちゃくちゃ重要なことだからもう一度書こう。

Ruby は書くのが楽しいプログラム言語なのだ!

Rubyの簡潔な文法も欲しい処理をすぐに書けるという点で素晴らしい。中級者以上になるとRubyは型が貧弱とか色々とあるみたいだけれど、今回の開発ではRubyのコンセプトである「楽しさ」を存分に体感することができた。

RubyとかRails周りの記事やブコメを読むと「オワコン」的なことが書かれていることが多くて、今後業務未経験から開発者としての就職を目指す私としては不安も大きいけれど、今はただ先人の作った素晴らしい仕組みに涙しつつ感謝したい気持ちだ。

謝辞

サービスをリリースする前に、Twitterで呼びかけて10名程度の方にテストを無償で手伝っていただいた。挙げていただいた各種不具合の指摘や要望のお蔭で大幅にサービスのクオリティが向上したことを感謝したい。丹さんにはルビ入力を補完するJSの実装をプルリクエストして貰えて驚いた。

はてな民が選ぶ傑作漫画ランキング

上の増田のブコメページに挙げられた漫画でランキングを作ってみた。

集計ルール

  • 2018/06/07 17:00現在、881usersの段階でカウント
  • 増田本文で挙げられている作品を含む
  • ジョジョなどはシリーズで1作品扱い
  • 1ユーザーにつき1作品に1票までカウント
  • 20票以上の作品のみ集計