「妻がキレるのが怖い」問題について

NHKクローズアップ現代で「妻が夫にキレるわけ」という特集があったらしい。

この問題は先日書いたように私も今(未婚者ではあるけれども)当事者として直面していることで、最近考察を深めているので記事を書きたいと思った。

2つの問題点

「妻がキレるのが怖い」事象には2つの問題点があると感じている。

まずは、妻がキレるレベルで夫の家事・育児貢献度が低いということ。これは分かりやすい問題点で、男性も家事への参加意識を持ち、家事スキルの向上に謙虚に取り組む以外にないと思う。

もう1つは、パートナーにキレて怯えさせる妻の問題。上記リンク先に紹介されている「書店や電気店などを4時間ほどぶらつき、妻が寝静まるのを待つ」という夫の習慣は、利害関係を考慮した合理的判断ではなく、身体が恐怖に支配されて勝手にそう動いているのだろう。恐怖は人の心だけではなく身体を直接支配し、自らの意志で自らの身体を動かすことさえ困難にさせる。いじめ、毒親、DV等、あらゆる暴力的関係性に「恐怖による身体の支配」は絡んでいて、これは最も原始的なモラハラ的コミュニケーションの型であり、どのような理由があったとしても許容されるものではない。

いったん距離をおくという解決策

私も4月には家事上のミスを彼女に怒られるということがしばしばあって、恐怖に身体を支配されかけていた。

実際私の家事スキルは貧弱なので、最初のうちは怒られるのも仕方がないと我慢していたのだけれど、どうも自分の家事スキルの低さだけが問題ではないということに気づき始める。というのも、彼女が仕事で帰るのが遅くなったときにキレやすいということが分かってきたからだ。仕事で遅く帰ってくると普段は怒らないような些細なことで怒り出して、立て続けに次々とミスを指摘して寝るまでキレ続けるというパターンがあることに気づいた。これはさすがに不当だと思った。仕事の不快感を他人に不快感を与えることで解消するというのはどう考えても非生産的で何ら事態の解決に向かっていないからだ。

そこで彼女に、指摘された問題点については改善するよう努力しているけれど、怒られても私は変わらないという趣旨のことを伝えて、彼女が怒り出したときは、黙って自室に入って扉を閉めて放っておくことにした。怒っている人を放置するのはどうなんだ、ますます怒り出すんじゃないかという懸念が最初はあったけれど、結果的に彼女は怒り過ぎたことを反省してくれて、徐々に怒る回数を減らすように努めてくれた(彼女の方としても人への当りが強い気性は何とかしたいと日頃感じていたようだ)ので、今は平和に暮らせている。

私は恵まれてる方かもしれませんね。
わりと夫は、私が一方的にちょっと攻撃性が高まっちゃう時に、それをいなしたり、かわしたりするのがとても上手です。
私が何か言いたいなって時に、彼はさっといなくなったりするんですね。
さっといなくなって、しばらくすると戻ってきて、疲れていると思うからコーヒーいれたよって言ったりするんですね。

この解決策は奇しくも冒頭リンク先の中野さんのパートナーのコミュニケーション手法に近い。

ムーチョさんの関連記事でも、怒っているときにパートナーにカフェに追い出されたら気持ちが落ち着いたというエピソードが紹介されている。怒っている人のことは下手になだめようとせずに物理的に接触をいったん断つのが正解なのかもしれない。

「思いやり」があるかないか

とは言ってもこれは彼女が自発的に怒るのをやめようと努力してくれなかったら解決しなかった問題だ。やはり最終的にはパートナーへの思いやりがあるかないかの問題になるのだと思う。家事の重役を一方的に課すというのも、恐怖で行動を支配しようとするのも、パートナーを思いやる心があれば出来ることではない。

お互いに思いやりを持てなくなったら関係を解消することも視野に入れて、地道にコミュニケーションを重ねてゆくしかないという印象だ。