日本株個別投資で損した100万円を米国株インデックス投資で取り戻した

6年前にほぼ全財産の500万円で日本株の個別投資を始めたけれど、その結果は最大で100万円以上の損失を抱える大失敗に終わった。

退場がちらつく中、思い切って米国株インデックス投資に切り替えたところ、徐々に損失が補填され、今月になって評価額ベースでトータルプラマイゼロの500万円のラインまで戻すことができた。これまでの経緯を振り返りつつ、日本株個別投資の難しさと、米国株インデックス投資を行う具体的な方法について書きたい。

日本株個別投資の難しさ

そもそもの話として、インデックス投資が個別投資に対して優位性があるというのは有名な話で、ましてや素人が個別株投資を行って長期的にインデックス投資よりも優れた成績を出すのは非常に難しい。とは言え、インデックス投資にはロマンや賭け事としてのゲーム性がないのもまた事実だ。当時の私は自分だけは上手くいくはずという、この上なく見通しの甘い期待を抱きながら日本株個別投資を始めたのだった。

その結果は、東証株価指数TOPIX)がプラスに遷移している期間で約20%の損失を出すという大失敗に終わった訳だけれど、経験的に日本株個別投資の何が難しかったかを書いておきたい。ちなみに投資スタイルとしては、PER、PBR、ROEのような指標を元に割安と思われる銘柄のうち、直近の業績が安定している銘柄に投資していた。ベンチャー系のハイリスク銘柄には一切手を出していない。保有期間は本決算を参考に投資対象を変えるスタイルだったので、1年以内で売買することが多かった。

指数に対して大きく上がる機会は少ないが、大きく下がる機会は頻繁にある

個別株投資をやっていると、個々の銘柄の日々の値動きに実は大差なく、ほぼ指数と同じような動きをしていることに気づく。指数に対して明らかに優位にグングン上がっていくことを目にすることはほとんどない。その一方で、特定の銘柄だけ短期間に大きく下がるイベントは割とある。その分かりやすい例に増資発表がある。増資をすると1株あたりの価値が下がるため(株式の希薄化)、増資発表の直後に株価の暴落が起きる。増資で資金調達するというのは会社の事業にとってネガティブという訳ではないけれど、それでも株価はアホみたいに下がる。ポートフォリオでの保有比率が大きい銘柄が短期間に10%以上の損失を出してしまうと、その損失を補填するのは地道で困難なものになる。

分析指標は実際役に立たない

PERやPBRのような割安性を示す指標は理解が簡単で何か上手く使えそうな雰囲気を出しているけれど、実際有効に機能したと感じることは少なかった。色々な銘柄を買ってみて、本当に大きく下げた銘柄はほとんどなかったので、指標が割安な銘柄は底堅いとは一定言えそうだけれど、指標が割安であることと株価が上がることには特に関係がなさそうだった。素人が決算公開後の指標の分析をして何か望ましい結果を得られるというのは絵空事なのだろう。

むしり取られる税金

株を売却して利益を確定すると、利益のうち約20%が税金として取られる。普通に特定口座で取引していて確定申告を行わない場合、損失確定による税金の還付が年内でしか行われないため、利益確定と損失確定を繰り返して、トータルで損しているのに税金はいっぱい払っているという状態になり得る。私の場合、100万円損している一方で、税金も何十万円と納めているというアホみたいな状態だった。

日々の相場の人智を越えた動き

何か取引をしようと注文して、特定銘柄の買値と売値の注文の入り方の動き(板)を見ていると、明らかに人ならざるものが介在しているように見える、ダイナミックかつ狡猾さを感じさせる動きに畏れを抱くところがあった。素人が短期トレードに手を出そうものならいいようにハメ込まれるのは想像に難くない。

損しているのに投資にたくさん時間を使っている馬鹿らしさ

これらの難しさに対して、色々と売買ルールを変えたりして、実際のところ無意味な対処策を工夫していたのだけれど、損しているのに投資に時間をたくさん使っているのもいかにもアホっぽい感じがしていた。

得られた教訓

このような経験を通して、インデックス投資が個別投資に対して優位性があるというよく知られた事実を、体感を伴う形で納得することができた。また、税金や手数料などのコストを考えると、可能な限り売買回数を少なくして長期で保有するのが手堅い方法と言えるだろう。

米国株インデックス投資を始める方法

という訳で、インデックス投資を始めようとなったのだけれど、インデックスと言っても何のインデックスに投資すれば良いのかがまず悩ましい。私は世界中からスーパーエリートが結集して、最先端技術で常に世界経済をリードするアメリカの株のインデックスに投資したいと思った。アメリカ株のインデックスの代表的なものと言えば、S&P 500、ダウ平均、ナスダック100などがあると思うけれど、その中でもS&P 500は、アメリカの代表的な500銘柄の時価総額加重平均ということで、分かりやすく、いかにもインデックスらしいインデックスということで、S&P 500に投資してみることにした。と言ってもインデックスそのものに投資できる訳ではないので、S&P 500に連動する何らかの投資商品を選ぶ必要がある。

ETFを買うのが分かりやすく効率的

ETFと呼ばれる上場している投資信託があって、普通の株と同じように市場で売買できるので、証券口座を開設してすぐにサクッと購入できる。また、通常の投資信託と比べて、信託報酬が安くなる傾向があり、効率的な投資先と言える。

どの銘柄を買うか

S&P 500に連動するETFの中でも、運用会社の違いによって種類があって、私は当初、最も古参の日興アセットマネジメントのもの(1547)を買っていたけれど、最近ではブラックロック・ジャパン(1655)や三菱UFJ国際投信(2558)のものの方が信託報酬が安く優位性がありそうだ。

買い方

今の価格が安いか高いかというのは誰にも分からないので、何も考えずにドカッと買って、何が起きても売らずに放置し、ETFには分配金があるので、分配金が入ったら買い足すなどして適当にやるのが良いと思う。

まとめ

そもそもの話として、S&P 500連動ETFを100%で運用している点にまた大きな失敗の予兆がある気がするけれど、納得感のない投資をしても面白くないので、しばらくはアメリカを信じて買い続けてみようと思う。