リベラルな非モテ論に共感できない理由 ―絶対的恋愛不可能性と無限に開かれた恋愛可能性の相克―

リベラルな非モテ論への反発 小野ほりでいさんの記事を読んで、以前から「リベラル(親フェミニズム的)な非モテ論」のアプローチを理性では理解しつつも自身の過去の非モテ経験に照らし合わせて反発を感じる部分があった私は、何か反論のようなものを書きた…

「普通の人たちと異常な自分」という自意識からの解放-『ダルちゃん』完結に寄せて-

*1『ダルちゃん』が完結した。リアルタイムで読んでいた身としては感慨深いものがあるので、感想を書いておきたいと思う。第49話でヒロセと別れてから3話で完結までの流れがやや性急に過ぎた印象もあるけれど、最終話の上の台詞には納得できるものがあった。…

『逃げ恥』から考えるこれからの恋愛・共同生活の有り方

逃げるは恥だが役に立つ(2) (Kissコミックス)作者: 海野つなみ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/12/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る前回の記事では、ラブコメとしての『逃げ恥』の良さについて書いた。『逃げ恥』には、現代の恋…

新時代の「都合の良さ」を詰め込んだ『逃げ恥』の魅力

逃げるは恥だが役に立つ(1) (Kissコミックス)作者: 海野つなみ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/12/06メディア: Kindle版この商品を含むブログ (23件) を見るあまり自分には合わない気がして敬遠していたけれど、『逃げるは恥だが役に立つ』を読…

「妻がキレるのが怖い」問題について

NHKクローズアップ現代で「妻が夫にキレるわけ」という特集があったらしい。この問題は先日書いたように私も今(未婚者ではあるけれども)当事者として直面していることで、最近考察を深めているので記事を書きたいと思った。 2つの問題点 「妻がキレるのが…

セックスにおける「男性役割」のつまらなさ ―私自身のセックスの悩みを通じて―

日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない作者:湯山 玲子,二村 ヒトシ発売日: 2016/05/12メディア: 単行本やはりセックスにおける「男性役割」はつまらないし気持ち良くない――『日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない』を読んでそう思った。こ…

「言葉で伝える」ことの難しさと共感性の効力 ―人と共に一か月暮らして―

彼女とは言いたいことを言い合える関係を築けていたし、事前に不満は溜め込まずすぐに伝えることを念入りに確認し合ったので、共同生活はどうにでもなるだろうと舐めてかかっていたのだけれど、そんなことはまったくなかった。一番大変だったのは彼女が仕事…

婚約しました

奈良でプロポーズして来た。長かった学生生活で学んだことはただ一つ「孤独は人を殺す」ということで、もう独り暮らしは嫌だと、彼女に頼み込んで春から同棲することになったのだけれど、「婚約しなければ娘はやれない」ということで、プロポーズの準備を進…

『モテキ』を読んでいつかさんの扱いの酷さにキレてしまった

モテキ (1) (イブニングKC)作者: 久保ミツロウ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/03/23メディア: コミック購入: 33人 クリック: 1,075回この商品を含むブログ (473件) を見る『モテキ』を読んだ。面白い漫画だったけれど、どうも読後感にスッキリしないも…

セックス同意書 ―Yes means yes, or no means no?―

11月祭でサークラクラッシュ同好会の会誌を買って来て、ひでシスさん(id:hidesys)の『セックス同意書』を読んだ。フェミニズムの「Yes Means Yes(性行為について、拒否の意思が示されたとき拒否だと考え、それ以外は同意とみなす(No Means No)のではな…

理由なくモテるハーレム系主人公にストレスを感じてしまう

溺れる花火 1 (ビッグコミックス)作者:峰浪 りょう発売日: 2010/01/29メディア: コミック『ヒメゴト』が最高に面白かったので、峰浪りょうさんの前作『溺れる花火』も読んでみた。『ヒメゴト』と同様に恋愛における幻想と真実の落差が鮮烈にかつ繊細に描かれ…

『ヒメゴト』 ―恋の幻想と自己受容―

ヒメゴト~十九歳の制服~ (1) (ビッグコミックス)作者:峰浪 りょう小学館Amazon『ヒメゴト』を読んだ。かなり濃い性描写を含む恋愛漫画なのだけれど、ストーリーが面白すぎてオナニーする暇もなく最終巻まで読んでしまった。 登場人物 同じ大学に通う19歳の主…

自分と付き合いたい願望

この匿名ダイアリーを読んで、昔の自分もこんなことを考えていたなあ、と、思った。過去の私は、自分と良く似た人と付き合って、深いところで分かり合うのが恋愛だと思っていた。でも、実際に自分と全然違うタイプの人と付き合ってみて、分からないところを…

東京タラレバ娘 ―愛されたい願望と愛することのむずかしさ―

*1最近東村アキコさんの『ヒモザイル』を読んで、自分のアシスタントを「クソメン」呼ばわりして上メセでモテ指南するという内容に、青筋立ててキレつつも、漫画としての面白さには惹かれてしまう(第二話の「抜け感男子」には吹いた)という体験をした。そ…

パートナーと親密になるためのボディタッチの基礎

イケメンになるには整形しなければならないけれど、適切なボディタッチの技術を習得してイケメン風の挙動を身につけることは誰にでもできる。これは案外簡単なことなのだけれど、誰もきちんと解説しないので、私が書く。 ボディタッチの基礎 私は去年の5月に…

遠距離恋愛

昨日彼女と会った。彼女は今年の春から愛知で働いていて、私は京都にいるので、遠い。しかも彼女は平日にとびとびで休日があって、私は単位が足りないので毎日大学に行って就活もしていたりで、まったく会えない。夜に電話をかけても、残業で疲れていらいら…

あまり大きな声では言えないけど乳首は気持ちいいです…

オトコのカラダはキモチいい (ダ・ヴィンチBOOKS)作者: 二村ヒトシ,岡田育,金田淳子出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー発売日: 2015/02/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る『オトコのカラダはキモチいい』を読んだ。この本は…

増田に書いた恋愛エントリをまとめてみた

このブログを作る前は「はてな匿名ダイアリー」(通称「増田」)に恋愛エントリを書いていた。これからはまとまった内容の記事はこっちに書くと思うので、今までに書いた増田をまとめてみた。増田は「タイトルで釣り、中身では釣らない」を信条にして書いて…

「女性にとって都合の良い男性」とは何か ―男性性欲をコントロールする技術―

異性にとって都合の良い存在を演じる役回りはこれまで一方的に女性に担わされて来たが、今は男性も女性にとって都合の良い立ち回りを覚えないと恋愛できない時代だ。もちろん自然に振る舞えるのが恋愛の理想ではあるけれど、「異性の都合」も配慮できると色…

性愛の無い日常と有る日常の転換点 ―「あなた」の性欲を受け容れるということ―

*1若者のセックス離れが統計的に明らかになっているけれど、個人的にもこれはすごく身近に感じることで、というのも、私は一年前までセックスのことを都市伝説のようなものだと思っていた。それなのに、今は当たり前のようにセックスが日常に存在している。…

『すべてはモテるためである』に見る「考える恋愛」と「男性の中の女性の発見と育成」

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)作者:二村 ヒトシ発売日: 2012/12/02メディア: 文庫『すべてはモテるためである』は、モテる男性は恋愛について考えていて、モテない男性は考えていないという画期的な視点を導入した。モテる男性とは「イケメンのDQ…

もうモテなくて良いけれど、恋愛について語りたい

私は京都の大学の三回生で(出身は神奈川)、去年の五月に初めての彼女ができた。この彼女の出来方というのが本当にただのラッキーで、彼女の方から積極的にアプローチしてくれていたのだけれど、童貞特有の「好き避け」に痺れを切らして、「ああ、コイツも…