遠距離恋愛
昨日彼女と会った。
彼女は今年の春から愛知で働いていて、私は京都にいるので、遠い。
しかも彼女は平日にとびとびで休日があって、私は単位が足りないので毎日大学に行って就活もしていたりで、まったく会えない。
夜に電話をかけても、残業で疲れていらいらしていて、気まずくなったりして、LINEを日常的にやりとりする習慣も私たちには無いので、人事からのお祈りが重なったりするともう、「破滅だ…」みたいに暗くなってしまうのだけれど、彼女の方はモラハラ浮気元彼との三年間の遠距離恋愛の経験で耐性が出来ているのでまったく気丈な様子で、昨日時間をとって会いに来てくれた。
私たちには手紙を交換する習慣がある。私は修辞の装飾を過剰に調整した高村光太郎ワナビみたいな文を書いているのだけれど、彼女の文のテンションは普通で、これでは恥ずかしさの釣り合いが取れていない、と感じるのだけれど、それでもやはり嬉しくて、今も貰った手紙を読み返してにやにやしながら記事を打っている。
彼女は今日も朝早くから出勤しなければならないので、軽く外で食事をして別れたけれど、彼女の生き生きとした表情を見て、ハスキーな声を聴いて、テーブルの下でぷにぷにと手をいじっているだけでもすごく満たされる。
就活は信じられないほど上手くいってないけれど、恋愛は信じられないほど上手くいっている。人生から得られる価値が少し前に信じていたそれとかなりずれていて、私は誰だ(あなたは誰だ)、と存在が他人事のように軽く感じられることもあるのだけれど、それでもあなたとなら、きっと幸せに生きてゆける。