フリーランスの副業を始めてから初回請求までにやったこと
9月から副業を始めたので、初回請求までにやったことを書いておきたい。知人のフリーランスエンジニアから得た情報を元に対応した内容で、ネットで検索してもフリーランスの副業を始めるのに必要なことは分かりにくい印象もあるかと思うので、参考になれば幸いだ。
私の副業の概要
- 職種はWebエンジニア(バックエンド、フロントエンド)
- 前職の同僚の紹介で都内のスタートアップ企業で副業
- エージェントを挟まない直契約
- 副業の稼働は平日の18:00〜20:00辺りで1日2時間前後
- 定められた時間単価を元に実動時間分請求できる契約
- 本業はフルタイム正社員
65万円の控除が受けられる青色申告をするために必要なこと
我が国の所得税は、納税者が自ら税法に従って所得金額と税額を正しく計算し納税するという申告納税制度を採っています。
1年間に生じた所得金額を正しく計算し申告するためには、収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を記帳し、また、取引に伴い作成したり受け取ったりした書類を保存しておく必要があります。
ところで、一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする人については、所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる青色申告の制度があります。
確定申告の際に最大65万円の控除を受けられる「青色申告」と呼ばれる制度があり、この青色申告を行うためには、
が必要になる。字面を見るとかなり難解な印象だけれど、freeeやマネーフォワードのような会計ソフトの助けを借りればかなり容易にこれらには対応可能なようで、そのための具体的な準備は次のようになる。
開業届と青色申告承認申請書の提出
freee開業のサービスを使って、必要情報をWebフォームに入力したら開業届と青色申告承認申請書のPDFファイルがサクッとできた。マイナンバーカードを持っている場合はネットでの提出も可能とのこと。私の場合はマイナンバーカードを持っていなかった(今まで通知カードがあれば事足りると思ってサボっていたけれど、個人事業をやる上では必須のようなので、慌てて交付を申請した)ので、PDFファイルを印刷して最寄りの税務署に提出しに行ったけれど、担当者にポンポンと判子を押されるだけで拍子抜けするくらい一瞬で手続きが終わったのでかなりお手軽な印象だ。
事業用口座の開設
青色申告に必要な複式簿記形式の記帳は、専門知識がなくても事業用口座を作って事業関連の取引を集約した上でその口座と会計ソフトを連携させると容易に作成できるらしい。
住信SBIネット銀行で口座開設を申し込んだら簡単な審査でスピーディに開設できた。
稼働時間の記録
時間単価で契約しているので、実動時間の根拠を明示するために、副業先のSlackに「分報」や「times」と呼ばれる個人用チャンネルを開設して貰って、業務開始時に「始めます」終了時に「終わります」とポストして、その時刻を元に稼働時間を計算している。
日々の開始時刻と終了時刻を元にした月の稼働時間数については、Googleスプレッドシートの関数を使って上掲記事のような方法で簡単に計算することができた。
請求書の提出
業務委託契約の場合、正社員と違って毎月契約先に請求書を提出して報酬を得る必要がある。請求書は会計freeeのサービスを使ってPDFで作成できた。
請求書の書き方については、上のマネーフォワードの記事を参考にした。
消費税の請求とインボイス制度
私の場合税別の時間単価で契約しているので、消費税を請求できる。
消費税では、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、その課税期間における課税資産の譲渡等について、納税義務が免除されます。
また、私の場合免税事業者に該当するので、その消費税申告分をまるまる貰ってしまって良いらしい。月々の請求単価が10%上乗せされるのは相当大きい。
しかし、2023年の10月から始まる「インボイス」制度で、この免税事業者が消費税分を収入にすることがやりづらくなるらしい。かなりややこしい制度で始まってみないと各企業の運用がどうなるか分からない部分もあるけれど、基本的には課税事業者になる以外の対策がないような印象で、現状免税されている事業者からすると10%の収入減になる可能性が高い恐るべき制度だ。インボイス制度については2019年あたりに大変な議論になっていたのを何だかよく分からない話題として横目で見ていたけれど、今になって論点が理解できた。