無職になったので雇用保険(失業給付)と国民健康保険・国民年金の手続きをして来た

11月末で仕事を辞めたので、ハローワーク雇用保険(失業給付)の手続き、市役所で国民健康保険国民年金の手続きを行って来た。

手続の詳細は他のブログや行政のサイトなどが参考になると思うので、私の今回の手続きで印象に残った点について簡潔に書きたい。

雇用保険

「特定理由離職者」の認定は、医師の診断書があるだけでは厳しい

失業給付は、解雇などの会社都合の離職の場合すぐに給付される一方で、自己都合で離職した場合給付されるまでに3か月間の待機期間(給付制限)がある。

ただし、以下のハローワークのサイトにあるように、自己都合であっても、やむを得ない理由で離職した「特定理由離職者」と認められた場合には、会社都合の場合と同様に給付制限なしで受給できる。

ハローワークインターネットサービス - 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者

私の場合、辞める直前は仕事のストレスで体調不良に陥っており、心療内科で11月に「11月末日までの休養を要する」と書かれた「適応障害」の診断書を貰っていたけれど、実際には特に休むことなく11月末まで勤務していた(会社を辞めると決めた段階でストレスが大幅に軽減されて体調が回復していた)こともあり、この診断書だけでは特定理由離職者の認定を与えるのは難しいと言われた。

ただ、そう言われても納得できなかったので、適応障害の特性(ストレス因子が除かれれば回復する)を説明し、やむを得ない理由で辞めたのは嘘ではないとハローワークの担当職員に説明したところ、医師による職務継続が難しい状態だったという証明があれば認定できると説明された。また、仮に私が診断書を貰った直後に休職して、その後退職したとしても、ハローワークで所定の書面を受け取り、医師に記入して貰うステップは必要だったようだ。特定理由離職者の認定が必要な場合は、離職まで継続的に通院し、医師に必要な書類を書いて貰いやすい関係を維持することが望ましいと思われる。

私の場合は、直近の生活資金は足りており、特定理由離職者に認定されても3か月の給付制限以外の給付額、給付日数に違いはないことから、またわざわざ心療内科に金を払って証明書を書いて貰うのも面倒だったので、通常の自己都合で手続きを進めることにした。

給付額の計算方法

肝心の給付額だけれど、私の場合、90日分合計で539280円(基本手当日額5992円)貰えることになった。結構多い。

離職票に記載されている直近の6か月間に支払われた賃金(各種手当等込み、控除前)の合計を180で割ったものを「賃金日額」とし、賃金日額の高低によって定まる給付率をかけたものが基本手当日額となる。

離職時の年齢が30歳未満の場合は、下記の表のように給付率が定まる。

賃金日額 給付率 基本手当日額
2470円以上4940円未満 80% 1976円~3951円
4940円以上12140円以下 80%~50% 3952円~6070円
12140円超13240円以下 50% 6070円~6710円
13240円超 - 6710円(上限額)

私の直近6か月間の賃金合計は1926977円(月平均約32万円)で、賃金日額は、

1926977 / 180 ≒ 10705(円)

となるので、表に従うと、給付率は「80%~50%」となる。80~50と言われて、実際の率がどうなっているのか担当職員に聞いたけれど、PCで計算しているのでよく分からないという趣旨の回答をされて少しもやっとした。

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11607000-Shokugyouanteikyoku-Koyouhokenka/0000170451.pdf

帰ってから調べたところ、上記の厚生労働省の資料に詳しい計算式が載っていた。50~80%の部分の給付率の計算には、賃金日額をwとして、下記の計算式を用いるらしい。

(24140 - w) / 24000

単純に賃金日額に比例して給付率が小さくなるようだ。

せっかくなのでPowerShellを電卓代わりにして基本手当日額を求めてみる。

f:id:fuyu77:20171214164727p:plain

四捨五入して5923円じゃないか!不正だ!!と一瞬思ったのだけれど、上掲の厚生労働省の資料をよく読んだら、「端数処理については、1円未満を切り捨てる」と書いてあった。厚生労働省のサイトのどこに計算式の資料が置いてあるのかは非常に分かりにくいけれども、見れば書くべきことはちゃんと書いてあるという印象。

国民健康保険

直近では、12月から来年3月までの4か月分、約44000円の保険料を2回に分けて払うことになった。

国民年金

私は結婚していて、妻はフルタイムで働いているので国民年金の免除は認められないだろうと思っていたけれど、妻が10月に転職(離職後間を置かず就職)したと伝えたら、妻の離職票と私の雇用保険受給資格者証を持って来たら今年度分の支払い(来年6月までの7か月分)を全額免除してくれるとのこと。ちなみに、妻の離職の実績がなくても1/4免除してくれるらしい。全額、3/4、半額、1/4の4段階の免除があり、全額と1/4免除ではまったく違うように感じるけれど、どういう制度なのだろうか。詳しく調べてみたい気もするけれど、面倒臭さが勝る(分かる方いたら教えてください)。

通勤定期の払い戻し

http://railway.jr-central.co.jp/ticket-rule/rule55.html

辞める際に会社の人に通勤定期は払い戻せると聞いたので払い戻して来た。1か月単位切捨で払い戻し。手続きしたら定期は無効になるので、1か月の期間ギリギリまで活用するとお得かも知れない。

2chに現れたデリヘル経営関西弁仕手株投資家の投資哲学

どうすれば勝てるの?おしえてくれ! [無断転載禁止]©2ch.net

最近は株式取引の投資手法や投資哲学についてのテキストを読むのにハマっていて、2chのスレなども色々と読んでいるのだけれど、上の2016年のスレに印象的な関西弁の語り口で独自の投資哲学を展開する人物がいたので、彼の言葉を見てゆきたい。

ゴールを明確にする

相場と限らず成功者はな、ゴールが明確なんよ。

(中略)

体を動かすのでも、ただ散歩するのとバット振るのとじゃ違うやろ。
健康の為にウォーキングするのか、プロの一軍で活躍して金儲けする為にバット振るのか。
目的は健康か、金か。

野球に限定しても、ホームラン打ちたい人間がイチローと同じ練習しても意味ないやろ。
しょぼい奴は、人生でも相場でもゴールが曖昧なんや。
本人が何をしたいか分かっとらん。

自己を認識できてへんのに、自己実現はでけへんやろ。

勝つ奴はゴールが明確や。
だから、スタイルもはっきりしとる。

色々な勝つスタイルがあるが、勝ち組は自分の一つのスタイルを確立しとる。
ある分野に限定し、ある方法に限定し、ある銘柄に限定している。
専門分野をもっとるんよ。

(中略)

俺のスタイルは仕手銘柄専門で、これも投資の教科書では駄目だと書かれいる。
けど、俺はこれに特化して勝ち続けてきた。
トヨタユニクロのチャートや決算書なんか見たことないわ。

俺が仕手専門にしたのは、ゴールが「種を1年で1.5倍から2倍にしつつ、長期的に勝ち続けられる方法の修得」やったからや。
プロでも年利10%20%や。
株をやっている奴の80%は長期的には負けとる。

(中略)

1はんのゴールはなんや?

株で勝ちたいです、これあかんのよ。曖昧すぎる。

私も5月から500万円を元手に株を始めたけれど、ゴールはあまり明確になっていないことに気づかされた。理想を言えば、配当金で食べていけるまで資産を増やしてセミリタイアすることだけれど、そこに本気で目標設定すると身に余るハイリスクな手法を選択せざるを得なくなる。ゴールを明確に定めるとは、簡単そうで簡単なことではない。ちなみに、この方のゴールは、

もっと言えば、なぜ株で勝ちたいのか、いくら勝ちたいのか、買った金で何を買うのか。
年金が不安だから、そのケアの為なら、インデックス長期でええ。
俺は自営する金が欲しかったから年利50~100%を目指した。
年利5~10%じゃあかんかったんよ。

俺は人に命令されるのが苦手やねん。
職歴もすぐに職場を辞めるからボロボロや。
それと女が死ぬほど好きやねん。
結局、金持ちになってもベンツやタワワンやブランド物の服やロレックスに興味ない。
食事の餃子の王将や秋吉でええ。
俺の場合は金持っても女にしか使わんなと。

自分が本当にしたいこと=自分のゴール=人に命令されんと自由に生きること+いい女を抱きまくれる人生

やと、明確にしたんや。
命令されんと生きるには、自分が社長になるしかない。
女を抱きまくりたいんやったらデリヘル経営にしよかと。

ということらしく、既に実現できているようだ。私も社畜を辞めたいと常々思っているけれど、これほどの覚悟は正直ない。

バリュー投資の優位性

それと、ファンダメンタルは成長や未来の予測では、ほとんと意味がない。
割安さ、小型株効果、倒産リスクの高さを見る場合は、ファンダの意味があるよ。

日経が調整して大人しくなったけど、猿でも勝てる官製相場の時に、「成長ストーリーを読んで収益バリュー銘柄を買う」系の連中が息巻いとったやろ?
収益バリューて要するにグロースなんやけど、彼らはグロースという言葉に拒否反応を示すんや。

これグロース投資家だけじゃなく、テクニカルトレーダーもそうなんやけど、自分の手法の弱点から目を逸らす。
統計でグロースはバリューよりパフォーマンスが低いと、アメリカでも日本でも出たから、グロースという言葉を嫌がって、収益バリューとかいう変な言葉を作ったんや。
「バリューだグロースだという分けること自体がおかしい」とか、謎理論を主張したりする者もおるね。
自分に不利な統計やエビデンスから目を逸らすんやな。

で、この手の猿は日経の大きな調整で、ポートフォリオが炎上して、2ちゃんからやブログからも消えてくれたんやけど、成長予測するファンダはあまり意味がないんよ。
インサイダー情報を持っている経営陣や、ハーバードで博士号を取り、個人投資家よりも圧倒的な情報、スーパーコンピューター組織力を持っているファンマネの予測が当たり前のように外れとるからね。

経営に一番詳しい経営陣が下方修正しまくっているのに、個人投資家がパソコン一台と、四季報と、近所の居酒屋に行ってメニューを見る程度で、未来を予測できたら苦労はないんよ。
ピーターリンチやバフェットの影響なんやけど、あれもアメリカ株はまともな銘柄を現物長期で持てば勝てたから。
それだけ。

統計ではグロースよりバリューした方がもっと勝っていたと出とる。
だけど、リンチやバフェットを信じているアホは多い。
ブレイクアウトと同じで、グロースも高値買いなんやが、高値買いとは今ホットな銘柄が多いんよ。
大衆が群がっているから高値を付けているわけ。

脳が焼けるんやな。大衆が見向きもせん銘柄をそっと仕込む(仕手筋の手法やバリュー投資家の手法)のは、地味やからの。
ほとんどの投資家は高値買いをしたがる。その脳の焼けが先にあって、後付けで収益バリューとかテクニカルとかブレイクアウトという手法を無理やり有効性があると思い込んでいるんよ。

先に結論ありき。熱い銘柄を買って痺れたい!という欲求がある。手法は後付けなんやな。だから負ける。

私もテクニカル指標は見ずにファンダのみバリュー投資のスタイルでやっているので、この辺りの言葉には勇気づけられた。

弱点をケアする

手法を磨くときは弱点から目を逸らさないこと。
一つの手法に特化することや。

(中略)

るろうに剣心って漫画の主人公が抜刀斎と呼ばれる抜刀術の達人なんやが、抜刀術って躱されると、自分がノーガードになって危ないんよ。
一撃必殺の大技やから威力が抜群やが、躱されたときにヤバイ。

それを知っているジンエとかいう敵キャラに抜刀術を躱されるわけやが、主人公は抜刀術を躱された後に、左手で鞘を持って第二撃を叩きこんで、弱点をケアしていたわ。
そこで言ったセリフが

「抜刀斎の名とは、抜刀術の弱点を誰よりも知っているという意味でござる」、みたいなことを言っていた。

ハイリターンを求めるならリスクが高まる弱点がある。
それをケアできるのがプロや。
俺は仕手銘柄、小型株、低位株、ボロ株のリスクを誰よりも知っとる。

そこがリスクや弱点から現実逃避している、信用デイトレやグロースのアホらとちゃうんよ。
もし、俺はグロース打ちになれば、グロースの弱点を誰よりも知り、それをケアする方法を考え抜くやろうね。

リスクや弱点から目を逸らすなら、欧米先進国のインデックスをドルコストしたらええんよ。
どっちかや。
プロとして修羅の道を進むか、アマとして安全に生きるか。
中途半端な奴は食い殺される鴨や。

突然『るろうに剣心』の上手い喩えが出て来て笑ってしまった。確かに弱点を直視するというのは難しい。私が今採用している投資ルールは損切りが遅くなるのが弱点だと分かっているのだけれど、克服する方法が思い浮かばないので見ないふりをしているのが現状だ。

対戦相手の存在を意識する

株を打つときはな、どれが上がるかとか、成長とか、割安とか、世界情勢とか、色々と分析するわけや。

だけどな、素人が分かっとらんのは、『相場を打って勝つ=誰かを負かす』なんよ。
もっとはっきりと言えば、

『他人の損切りが自分の利益になる』んや。

自分が勝つには誰かに損してもらわんとな。
あんさん、1600円で買ったとき、「俺のこの1600円の買いは、誰かの損切り売りだな( ̄ー ̄)ニヤリ」と、考えて買ったか?
そんな発想すら無いやろ?

利益確定するときも、「俺のこの利益確定売りは、買った鴨の高値掴み(=含み損からの将来の損切り)やな( ̄ー ̄)ニヤリ」と、思えるタイミングで売るんやで。

(中略)

鴨が売る時に買い、鴨が買うときに売る。
要するに、

『全く同じ銘柄を、全く同じ世界情勢で、売り買いしても、勝つ奴は勝ち、負ける奴は負ける』わけや。

銘柄選びとか、成長性の予測とか、世界情勢の分析うんぬんもええんやけど、同じ銘柄、同じ地球の同じ時代なのに、喰う者と喰われる者に分かれるんやで。
素人は鴨を喰う発想が皆無なんよ。

(中略)

ピコピコとPC画面を見ているから、敵プレイヤーの存在を忘れるんやろうね。

(中略)

株は博打や。
つまり、相場を打つとは、鴨を食い殺す作業や。
まず、それを頭に叩き込んでから、銘柄分析や世界情勢の分析うんぬんなんよ。

株の熟練者にはこういうことを言う人が多い気がする(cisも似たようなことを書いていた)。一方で、今の私にはこの感覚はまったく分からない。場中の板の動きはあまりにも速く機械的で、背景に人の存在や感情を読み取れる気がしない。

ここに引用しただけでもかなり長いけれど、他にも色々と面白い話が展開されているので、気になった方には元スレを読みに行くことをお勧めしたい。

牛乳石鹸CMに見る夫婦の不和とコミュニケーションの欠如

https://www.youtube.com/watch?v=CkYHlvzW3IM

最近電通関西支社企画・制作牛乳石鹸のCMが炎上した。

今回の炎上は激しい批判だけではなく、擁護的な意見も多く出て、色々な論点があり興味深いのだけれど、夫婦間のコミュニケーションの問題について、私も感じたことがあったので書いてみたい。

CMに見た私の両親の不和の原因

牛乳石鹸のCMとその批評を見て、自分の両親の関係性について長年感じて来たことと関連するものがあった。

私の両親は、何だかんだ言って今まで上手くやっていると言えると思うのだけれど、喧嘩が非常に多かった(多分今でも多い)。その喧嘩のパターンが、「母がキレて、父が無視し、更に母の怒りのテンションが増大する」というもので、父も、牛乳石鹸の動画の夫のように、自分の気持ちを言葉にすることをほとんどしないタイプだった。

そのことと関連して、下のようなやりとりを見た。

https://twitter.com/kazemachi2/status/897668837033816066

この下のツイートはもう完全にあるあるというか、父は、突然意味もなく不機嫌になり、その理由を説明しないということがしばしばあり、そういうときはその態度に母がストレスを感じ、喧嘩になることが多かった。父が不機嫌になった理由については父の口からはまったく語られないので察するしかないのだけれど、「何となく家庭内で自分が軽視されていると感じたので、不機嫌になることで存在感を主張してみた」というのが、私の中での解釈としてはしっくりくる。

私と妻の場合 ―コミュニケーションを諦めないことの効能―

私はそういった両親の様子を見て来て、夫婦なのに仲が悪いのは嫌だなと漠然と感じていた。牛乳石鹸の夫は昔気質の「背中で語る」父親像への憧れを回想していたけれど、私は何も語らず、母に怒られっぱなしの父のようにはなりたくなかった。

ところが、私も去年妻と一緒に暮らし始めた最初の頃は、妻に激しく怒られまくっていて、完全に父と同じ道を歩みかけていた。そして、詳細な経緯はここでは省くけれど、今はほぼ理想的な状態で仲の良い夫婦生活を送れている。

困難な状況を克服できたのは、私がコミュニケーションを諦めなかったことが大きいと感じている。

牛乳石鹸のCMでは、夫は誕生日パーティの日に飲んで来た理由を説明しない。妻の電話を無視し、帰って来て怒る妻を無視し、風呂に直行する。そしてその後、「さっきはごめんね」の一言で妻はあっさりと許し、平穏な家庭が回復するという展開だ。

しかし私が母や妻を見て来た経験で言えば、このような態度は火に油を注ぐだけだ。「さっきはごめんね」と言ったところで、一体何に謝っているのだという話になる。風呂に入る前は詰め寄る仕草を見せた妻が、「さっきはごめんね」の一言にこっくり頷いて許すのは、リアルな夫の描写とは対照的に、この妻のキャラクターが物語展開に都合の良いハリボテとして作られているのではと疑わせるものだった。

私と妻の場合も、私が妻の理解の範疇を越えた行動をとり、妻が怒るということがある。その際、当初不穏だった頃は、妻はそういった行動に至った私の立場や事情を理解しようとせず、自分の価値観の正しさを根拠として一方的に怒り続けるという感じだった。しかし、私は自分の立場を言葉にして伝えることを粘り強く続け、妻の側でもそういった私の言葉を聞く気持ちがあったので、今では、妻が怒ることはあっても、謝罪の後に事情を説明すれば理解してくれて、すぐに穏やかな態度を取り戻してくれる。

だからこのムービーの「夫」は、もう話そうとしていない。妻からの電話にも出ない。自分の家族が何だかすごく居心地の悪いものになっている。でもそれは随分昔のボタンの掛け違いが、少しずつ積み重なってこうなったものだ。明確に悪い人や悪いものがあって、それを取り除いたら良くなるってものでもない。どうにもならない。こういう絶望を抱いている人、絶対この国にたくさんいますよ。

でさあ、今の日本では、「これってつらいよ、つらいよね」と言うことすら許されないんでしょ?「子どもの誕生日なのに何ふてくされてるの?そんな程度の育児分担も禄にできないの?こっちの方がつらいことが分からないの?これだから男は......」でしょ?どうすりゃいいのさ。そりゃ、「一生独身でいい」「二人目はいらない」が増えますよ。

なので、この増田に書かれているようなことには共感を示しつつも、「どうせ話したって伝わらない」というコミュニケーションの放棄が、関係の修復し難い悪化に繋がるのではと思うのだ。

最近の世の中のコミュニケーション至上主義的な傾向には警戒したい部分もあり、難しい話なのだけれど、私の経験からは、コミュニケーションを諦めないことの有効性というのは確かにあると感じている。

Google Apps Scriptでスプレッドシートを操作してみる ―株式投資の運用実績のグラフ化を例として―

最近初めてGoogle Apps Scriptを書いてみて、案外快適にスプレッドシートを操作することができたので、最初の取っ掛かりを得るまでのポイントを整理したい。

スクリプトエディタを開く

Googleスプレッドシートのメニューの「ツール」から「スクリプトエディタ」を選択すると、新しいタブにスクリプトエディタが開く。ここにコードを書くことで、スプレッドシートを様々に操作することができる。


onEdit(event)の中に処理を書く

onEdit(event)の中に書いた内容は、スプレッドシートが編集された際に動くので、取り敢えず最初はこの中に処理を書いておけば手軽に動かすことができる。

アクティブシートを取得する


セルの値を二次元配列として取得する

getValues()で、複数のセルの値を二次元配列として取得することができる。例えば、前回の記事で使ったこの表の値を二次元配列として取得するには、次のように書く。

(行,列)の形式で、(2,1)のセルを起点として、9行と7列の範囲を取得するという意味だ。

この二次元配列はvalues[行][列]のように各セルの値を指定できるので、あとは思い通りに値を操作して、最後にsetValues()で配列の値をシートに再セットすれば良い。


利用例

上掲の表を更新して、先日始めた株式投資の運用実績(終値ベース)を、TOPIXの騰落率をベンチマークとしてグラフ化するスクリプトを書いてみた(グラフの作り方は前回の記事に書いた)。

Yahoo!ファイナンスポートフォリオ機能を活用して、「株式時価総額」の列と、「TOPIX」の列に手動で入力すれば、残りの部分はスクリプトが埋めてくれる仕組みになっている。

Googleスプレッドシートでグラフを簡単に作る

Googleスプレッドシートを使うと綺麗なグラフが簡単に作れることを知ったので、その方法を共有したい。最近私は株式投資を始めてTOPIXの騰落率をベンチマークとする運用実績(終値ベース)のグラフを書いているので、それを例にして説明する。

1. データの入力された表を用意する

f:id:fuyu77:20170515211705p:plain

2. グラフに使いたい列を選択する

Ctrlキーを押しながらクリックすると複数列選択できる。

f:id:fuyu77:20170515212415p:plain

3. メニューの「挿入」から「グラフ」を選択する

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4. グラフの形式を選択する

グラフの形式を様々にカスタマイズできる。今回はシンプルな折れ線グラフを選択。

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5. 完成

f:id:fuyu77:20170515214815p:plain

対象の列の新しい行に値を入力すると、自動でグラフが更新される仕組みになっている。

次回は、Google Apps Scriptを使って、この表の更新を手軽に行う方法を紹介する

株式投資を始めました

先日結婚した際に、一族からお祝い金や支援金を大量に貰ったので、それを元手に株式投資を始めることにした。

証券会社

証券会社は松井証券にした。1918年創業の歴史の長い証券会社で、深緑の「六」のロゴが渋い。手数料体系もシンプルで分かりやすい。取引に関する機能も過不足無いものが揃っている。

ただ、松井証券よりも手数料が安い証券会社や、より多くの機能を提供している証券会社はあると思うので、本気でコスパを追求するなら最適な選択肢ではないと感じている。

投資対象

東証一部上場の日本株に限定して売買する(東証一部に限定するのは、出来高の大きさやリスク回避の観点から)。現物のみで、信用取引はしない。

投資戦略

株マップ.comの簡易スクリーニングで、PER、PBR、配当利回りROE自己資本比率でスクリーニングして、残った銘柄の業績安定度を会社四季報でチェックし、問題なければ投資することにしている。素人が感情的に売買すると身を滅ぼすと思われるので、機械的に売買できるようなルールを一応考えてある。

最初の投資銘柄

6210東洋機械金属

射出成形機とダイカストマシンを作っている会社。5/1の9:00に689円で3500株買った。決算の増益予想と増配で4/27にストップ高を記録し、出来高も急増している。相当にリスキーな状況だけれど、まだ割安感はあると思う。

1972三晃金属工業

金属屋根大手。新日鉄住金系。5/9(今日)の9:00に3135円で800株買った。配当利回りが高く、割安感があったので買ったけれど、どういうトレンドなのかは良く分からない。

運用実績の記録

Googleスプレッドシートに、日々の運用実績を終値ベースで記録し、TOPIXの騰落率をベンチマークとしたグラフを作成している。

証券会社の特定口座にある現金残高や、手数料、配当、税金等による増減も含めて、元手から何倍になったのかを示すのが青いグラフで、TOPIXの騰落率が赤いグラフになっている。最初からTOPIXにボロ負けしていて、前途多難な滑り出しという感じだ。

共働き世帯の理想と現実 ―忍び寄る「男性稼ぎ手モデル」の影―

今年の4月2日に結婚式を挙げ、妻との共働き生活も一年ちょっとになる。

当初は妻に頻繁に怒られることに悩んでいたものの、最近は随分と穏やかになって、仲良く暮らしている。現状の家庭運営はかなり上手くいっていると評価できると思うのだけれど、どこか私の考える理想の共働き世帯の姿とずれているということがいつも気になっている。

私の中の理想の共働き世帯 ―男も女もキャリア形成と家事参加の機会を十分に持てる―

まず、私の中にある理想の共働き世帯の有り方として、労働と家事の分担が対等に近く、その両方の活動に充実感を持って参加できているということがある。これを実現するためには、キャリアプランの形成に性差別が無いことと、労働時間が(家事を行うために十分な余裕が持てるほど)短いことが必要になる。具体的には労働時間は1日7時間以下であるべきだと感じている。

現実 ―「男性稼ぎ手モデル」の追認と子育ての不可能性―

しかし現実には、家事は妻が多く、生活費負担は私の方が多くという分担になっている。具体的には、風呂掃除とゴミ出しと休日の料理と休日のクリーニングと休日の洗濯物の取り込みは私の担当で、その他の平日の料理や掃除洗濯全般は妻の担当になっている。家事についてはほぼすべて妻がやっているということだ。

死ぬほどキツい日本の「メンバーシップ型雇用」の働き方

日本において長時間労働の根本的な原因は、雇用システム、および労働市場の問題です。この根本的な問題に踏み込まない限り、いかなる「改革」なるものも「改善」にすぎないものになるのではないかと私は捉えています。

前者においては、メンバーシップ型雇用のもと、労働契約時も、その後も任される業務の範囲が必ずしも明確ではなく、どんどん書き換えられていきます。仕事に人を就けるのではなく、人に仕事をつけるシステムです。

私は中小IT企業で、この記事で語られているというような「メンバーシップ型」の働き方をしている。とにかく何でもやらされるので、一日のタスク数が10を越えることも珍しくない。今の私は朝起きたら脳内で何度も仕事の優先順位のシミュレーション(イメージトレーニング)を重ね、仕事の中で新しいタスクが舞い込む度にそのシミュレーションを更新し、一つずつタスクを完了させるようにしている。仕事への集中度は常に限界レベルで本気を出してやっている(そうしないととてもじゃないけれど定時に仕事を終らせることができない)。一日中パソコンと向き合う仕事ということもあり、目の負担も凄まじく、仕事を終える頃にはほとんど廃人のように消耗している。帰ったらぼーっとして、11時前には寝るのが最近のスタイルになっている。帰ってから料理を作ったりする余裕はまったくない。今の仕事は一切やりがいが感じられないつまらないもので、上の人間からドヤされるなどして溜まるストレスも尋常ではなく、残業も月20時間前後は発生するため、毎日11時前に寝ても仕事のストレスは一週間を通じで蓄積し、土日は一日中寝ないと回復しないので、実質的に余暇も無い。私には趣味がたくさんあったけれども、そのほとんどは失われ、今はファイアーエムブレムのソシャゲくらいしかやっていない(そのソシャゲさえもしんどいと感じるときがある)。こうやってブログを書いているのもGWなので例外的にできているのだ。労働によって私の人生は破綻しかけている。

壊滅している妻のキャリアプラン

一方で、妻の仕事が楽かと言えばそんなこともまったくない。妻は小売店で販売員をやっているけれど、この会社が無償労働サービス残業等何でもありの典型的なブラック企業で、それでも業界の中では一番ホワイトな部類だというのだから訳が分からない。人手不足で他店舗へのヘルプを含む出鱈目なシフトが組まれていて、休日は平日に不定で、7連勤なども普通にあったりしてキツそうだ。そして月給が安く、昇給の見込みもほぼ無い。この会社が業界の中で一番マシということなので(他社から転職して来た同僚が口々にそう言うらしい)、新卒の就職先をこの業界に決めた時点で妻のキャリアプランは終っていたということだろう。一応唯一のキャリアアップのモデルとして、副店長、店長、エリアマネージャーのように昇格し、プライベートを犠牲にする過酷な労働と引き換えに僅かな昇給を得るというものがあるけれど、現在妻の会社で副店長格以上の社員はほぼ全員男性となっている。

と、ボロカスに書いてしまったけれど、私と違って妻は仕事にやりがいを感じていて、また体力的にタフなので、家事をテキパキと効率良くこなしつつ、休日にはいつも友達と遊ぶ予定を入れたりしていて、充実した日々を過ごしている。妻が疲れているときは、私も出来る限りのサポートをするように努めている。

子育てとかできないよねっていう

という訳で、現状は、

  • 私:奴隷のような労働で廃人化しつつ、生活費を稼ぐ。
  • 妻:奴隷のような労働をしつつ、家事をこなし、交友関係も充実している。

このような感じになっており、労働と家事の対等な分担という理想からは遠いものの、概ね上手くやれていると言えなくもない。

ただ、子育ての可能性まで考慮すると話は別だ。もし子育てをするなら、妻は負担の少ない仕事に転職するか退職し、より私の生活費負担を重くしなければならない(妻の今の会社で育休がまともに取れたという前例は過去に一度もない)。結局のところ旧態的な「男性稼ぎ手モデル」に収斂していくという訳だ。しかも昔の男と違って、私の場合は一人で余裕をもって家計を支えられるほど昇給する見込みが無いし、個人主義的な教育を受けて育ったので、心を殺してひたすら会社に奉公する人生にあと何十年も耐え続けられる自信も無い。2人とも子育てをしてみたいという気持ちはあるものの、今のところ私たちはその可能性を無期限に保留することに決めている。

*1

日本の少子化は最早手遅れというレベルで進行しているけれど、私の今の立場からは、

この2つが共働き世帯が子育てに取り組むハードルを低くするために必要だと言いたい。

子育ての問題に限らず、性役割に柔軟性を持たせることは生きやすさの観点で重要だと思う。今の私は、「逃げ場がない」と感じている。あともう少しでGWも終り、地獄の会社労働が再開する。既にストレスの予感で胃にいつもの痛みの兆しが顕れ、柔軟な思考は失われ始めている。本当に他にどうすることもできないのだろうか。こんなことはすぐにでも辞めたい。

*1:2019/02/09追記。リンク切れのため、はてブページに差し替えた。