プログラミングスクールのTechAcademyってぶっちゃけどうなの?という話


TechAcademyをレビューする背景

私は2017年11月末に前職を退職し、Railsを勉強して先日短歌投稿サイトUtakataをリリースし、都内のスタートアップで来週から開発職として勤務することになっている。

TechAcademy(オンラインで自宅学習するタイプのプログラミングスクール)は、学習の最初期に「Webアプリケーションコース(4週間プラン、129000円)」を利用していた。

一応プログラミング実務未経験から、Webサービスのリリースとエンジニアとしての就職を達成できた(今後のキャリアには不安が多いが)立場から、TechAcademyを評価したい。私がプログラミングスクールを検討した際に、評判として出てくる記事がスクールの利害関係者の怪しい記述ばかりでほとんど参考にならず、利害関係の無い立場からの評価が欲しかったということも記事を書く動機になっている。

TechAcademyのメリット

  • RailsWebサービスをリリースするために最低限必要な内容を学べるカリキュラム
  • そこそこクオリティの高いテキストを受講期間終了後も無制限に読める
  • プロのエンジニアにビデオチャットで質問できる

TechAcademyのデメリット

  • 受講料が高い
  • 4週間でオリジナルサービスリリースまで持ち込むのは明らかに不可能
  • 「TechAcademyキャリア」という付属の転職仲介サービスのクオリティは低い

カリキュラム

一通りの内容が揃ったカリキュラムと分かりやすいテキスト

「Webアプリケーションコース」では、下記の技術が学べるようになっていて、これらについて基本的なことが書かれたテキストを受講期間終了後も無制限に読むことができる。Webサービスのリリースに必要な内容が一通り揃っている(肝心のJavaScriptが無いが…)。

テキストの記述は分かりやすいので、受講後のオリジナルサービス開発時に役に立った(特にTwitterライクなサイトを作る章の記述が)。ただし、必ずしもベストプラクティスが書かれている訳ではないので、ある程度理解度が深まった後に見返すほどの価値はないと思われる。

カリキュラムへの不満

「上記の内容の学習+オリジナルサービスの開発」がセットになったカリキュラムとなっているのだけれど、4週間でRails未経験者がオリジナルサービスリリースまで漕ぎ着けるのはほぼ不可能のように思える。普通にできないことをできるかのようにカリキュラムを組んでいるのは悪質だと思った。

また、HTML、CSSRubyについては別の書籍等で学んだ方が良いと思った。「まったくの未経験からオリジナルサービスをリリースできる」というのがサービスの売り文句なのは理解できるけれど、個人的にはRails周辺に特化したカリキュラムで、オリジナルサービスの開発は受講後に自力で行うとしてくれた方が有意義な学びになったと感じている。

ちなみに、Rubyの学習については、上記の『プロを目指す人のためのRuby入門』が間違いのない良書としてオススメできる。

ビデオチャットによるメンタリング

週2回30分、プロのエンジニアの方とビデオチャットでお話しできるサービスがある。私の場合はきちんとしたプロの方が付いてくれたので、非常に有意義だった。カリキュラムに関する質問というよりは、オリジナルサービスリリースに向けて分からないことをガンガン質問してプロ視点の有益なアドバイスをいただけたのが大きかった。

TechAcademyキャリア

サービス受講者は転職仲介サービスの「TechAcademyキャリア」を利用できるとされていて、少し期待していたけれど、これはまともに使える水準のサービスではなかった。

私はpaizaを使って転職した(ただし、他のサービスをちゃんと検討した訳ではないので、paizaが相対的にどの程度優れているかは不明)。

総評

Rails未経験者が最初期の学習として、Railsの雰囲気をつかむ目的で4週間コースを利用する(オリジナルサービスの開発は受講終了後に行うと割り切る)のは悪くない選択肢だけれど、約13万円というコストを考えると、他の選択肢を検討した方が良いかも知れない。「決して詐欺的なサービスという訳ではないが、特に素晴らしくもない」という微妙なライン。私の場合は、トータルで利用して良かったと思っている。

繰り返しになるけれど、「まったくの未経験でも、プログラミングスクールで学べば短期間で自分のWebサービスをリリースできる」という発想は妄想として切り捨てた方が良いと思われる。Webサービスリリースにあたって、「自分で調べて考える」というフェーズは避けて通れない。Railsはググって出てくる日本語の情報が充実しているので、独学のハードルは比較的低いと感じた。

余談 -「転職保証」付きのプログラミングスクールの利用は避けた方が良い-

私は当時「転職保証」付きの「WEBCAMP PRO」のようなスクーリング型のサービスも検討していたけれど、これは使わなくて良かったと思っている。

前提として、

  • 未経験からエンジニアとして就職するだけなら、誰でも確実にできる(だからこそプログラミングスクールは「転職保証」を謳える)
  • 各企業ごとに労働条件の差が著しい

ということがあるので、短期間で焦ってプログラミングスクールに斡旋されるがままに最初の勤務先を決定するのは愚策と思われる。未経験の業界を目指すのは不安が大きく「転職保証」は魅力的に響くけれど、じっくり腰を据えて学習してから、普通に就活すれば大丈夫だと思う。私の場合は「Railsを勉強してWebサービスをリリースしました」程度の技術力で、最初に応募した企業と2回面接してサクッと雇って貰えた。