大日本印刷開発の任意のテキストを読みやすくする新技術「読書アシスト」のWeb APIを叩いてみる
https://read-assist-dxn.web.app/
独自の文章表示アルゴリズムによって、読んでいる最中の目線の動きをスムーズに誘導し、読むスピードを向上させる文字レイアウト変換技術です。日本語文における文節(意味のまとまり)ごとに目線を上手に動かせるように、文字配置や改行位置を調整することで、読むスピードが低下する要因となる、余分な目線の動きを減らします。DNPは2012年に、公立はこだて未来大学と共同研究を開始し、文章を読み進める際の人の視覚や認知のメカニズムを踏まえて「読書アシスト」を開発しました。
大日本印刷が任意の文字列を読みやすくレイアウトする新技術「読書アシスト」を公開した。任意の文字列を右斜め下に滑り込むようなレイアウトに調整して読みやすくする技術らしい。特設サイトに公開されているサンプルを読むと確かに読みやすい感じがして不思議な読書体験を楽しめる。
また、2020/7/10〜2020/9/30までの期間限定で、Chromeの拡張機能とWeb APIを無償で公開して実証実験を行うということで、任意のテキストについてこの新技術を試すことができるようになっている。
Chromeの拡張機能は変換したい文字列を選択して右クリックから「読書アシスト」を選択するだけで変換されたレイアウトが表示されるので、お手軽に色々試せる。
実用上はChromeの拡張機能で十分だけれど、Web APIもせっかくなので試してみたい。
$ curl -X POST https://reading-assist.com/api/assistapi.php -d "action=conv_htmltext&title=羅生門&htmlText=羅生門本文"
特設サイトにあるAPIの仕様を元に、上のようにcurlでAPIを叩くと、変換されたHTMLがレスポンスとして返って来る。
$ curl -X POST https://reading-assist.com/api/assistapi.php -d "action=conv_htmltext&title=羅生門&htmlText=`cat 羅生門.txt`" > 羅生門.html
上のようにすると、ローカルに保存したテキストファイルの内容を変換してHTMLファイルとして出力できるようになる。
ただし、このままだと出力されたHTMLファイルを開いてもJSやCSSのファイルを読み込めずレイアウトが変換されない。
特設サイトのAPIの欄に特にJS、CSSについての記述はないので、Chrome拡張で変換されたサイトからJSとCSSを直接ダウンロードして、HTMLファイルの読み込みを相対パスに変えたら動くようになった。
任意のタイトルのテキストファイルについてJS、CSSのパスの変換まで行うShellスクリプトは上のように書けて
$ sh reading_assist.sh 羅生門
このように実行できる。
今後に期待
なかなかイノベーションを感じる技術なので、今後の展開に大いに期待したい。