はてブのユーザーの質は低いが、はてブの機能性自体は悪くない

ヨッピーさんとはてなブックマーク(以下はてブ)ユーザーが揉めたのを発端として、はてブユーザーのマナーの悪さについて議論が起きている。この点については私も一家言あるので書いておきたい。

はてブコメントの何が不快か

上のブロガーの方々も語っているように、はてブのトップページなどに掲載されると極めて不快なコメントが大量につくというのは、多くのブロガーが経験していることだろう。

私も一昔前ははてブでも特に質の低いコメントが付きやすいフェミニズム / ジェンダー論関連の話題でよく記事を書いていたので、記事に不快なブコメが大量に付くという経験をしたことは多い。まずは個人的に感じている、ブコメが不快な理由についてまとめてみる。

論旨と関係ない内容で好き勝手に罵倒される不快さ

まず前提として、文章を書いてインターネットに発表している人間としては、たとえネガティブなものでもフィードバックがあるというのはありがたいことだ。批判されるから嫌だ、という話にはならない。

では何が嫌かというと、記事タイトルや本文の言い回しの一部を切り取って、記事の論旨と関係のない罵倒を好き勝手に書かれることだ。

最近のはてブユーザーはまとまった量の文章を書かない

また、ブコメ以外のまとまった記事でレスポンスを書くようなことがほぼないのも最近のはてブユーザーの特徴だと思う。手間暇かけて書いた記事の中身が何も読まれずに、短文で罵倒されて、はてなスターの承認の餌にされる様子の腹立たしさというのは筆舌に尽くしがたいものがある。

最近のはてブユーザーの不快なところ

  • 文章を読まない
  • 文章を書かない
  • 言葉遣いが攻撃的

まとめると、これらの特徴が最近のはてブユーザーの不快なところ、ということになる。「言葉遣いが攻撃的」については昔から変わらないはてブユーザーの特徴だと思うけれど、「文章を読まない/書かない」は最近特に顕著になっている特徴なのでは、と私は見ている。はてブの不快さは、ひとえにユーザーの質が劣化していることに起因しているのではないか。

とは言え、はてブの機能変更で民度を上げる提案には賛成できない

「人気コメント」欄の廃止など、はてブ民度を上げるための機能変更の議論も今回起こっているのだけれど、個人的にはあまり賛成できない。

悪質ユーザー対策のためにはてブ自体をつまらなくするのでは本末転倒

例えば、はてブコメントの不快さを軽減するためには、はてなスターと「人気コメント」欄を廃止するのが最も有効な機能変更になるだろう。しかし、はてなスターも「人気コメント」欄も本来はてなブックマークのユーザー体験を良くする機能なのだ。

私は先日はてブを普通のソーシャルブックマークとして活用する方法について書いた。記事で紹介したIT分野のように、ユーザーがちゃんと参考になったコメントにはてなスターを付けている場合は、「人気コメント」欄は参考になるコメントの良質なフィルタリングとして機能する。

はてなは継続的に悪質ユーザー対策の機能変更をリリースしている

はてなはこれまでに、悪質ユーザー対策の機能変更を多数リリースして来た実績がある。

最近でも、人気エントリの表示ロジックを変更して、トップページが特定の攻撃的なトピックで占拠されるのを避ける試みがリリースされた。この機能変更によって、トップページが大分見やすくなったと感じている。リリース記事に書かれているように、ユーザーアンケートやインタビューを元に、ユーザー体験に向き合った丁寧な開発がなされている印象だ。

また、上の増田にあるサポート窓口の回答から読み取れるように、表現の自由について骨太な姿勢で運営されている点も、今どきの他の企業やサービスにはないものが感じられて好印象だ。

おわりに

確かに最近のはてブコメントの酷さは目に余るものがあるけれど、これははてブユーザーの劣化によるものであり、はてブの機能変更で対処するのは容易ではなく、また、下手な機能変更ははてブ自体の魅力や機能性を下げてしまうことにもつながる。

私は今のはてなブックマークの機能性が好きなので、一部ブコメの酷さについては一定やむを得ず、そういうものとして対処するしかないと感じている。